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戸惑う二人の姿を見ていたのか、建物の奥から60代であろうか
白髪交じりの男性が二人の元へと近づいてきた。
「大変お待たせいたしました。
涼子様のお連れのお客様、志穂様と夏美様ですね」
「あっ、はい」
「この度は、マダムコレクションご利用頂きありがとうございました。
これより一週間お二人を担当させていただきます。わたくし朝倉と申します。」
「担当?」
「はい。まあ執事みたいなものです。お二人のご要望をお聞きし、それを叶える立場でございますので、何なりとお申し付けください」
「あの、朝倉さんマダムコレクションって?どうゆう事なんですか」
「これは失礼いたしました。てっきり涼子様から既にお聞きかと」
そう告げると、チケットの説明を始めた。
朝倉の説明によると、マダムコレクションは一見さんお断りの、選ばれた方にのみ行われるマダム限定の、異性に対し夢を叶える一週間らしく、チケットを利用したものは一日一人の異性と4時間のみ一流ホテルの一室で時間を共にするものだった。
なんでもその異性に関しては、指定した男性を必ずセッティングするらしく、室内の出来事に関しては全てマダムの自由にできる、男性完全服従とのことだった。
「それって、ただの売春じゃないのですか?」
「確かに取り方によってはそう受け取れるかもしれませぬな。
しかし、そこに一見さまお断りの理由があるのです。品格を兼ね揃えた選ばれしマダムの皆さまです。羽目を外したりなさるのも結構ですし、純粋に恋愛を楽しまれるのも結構だと思います。単に体目当ての売春の簡単な言葉で片付けられるものではなく、美しく心の中から女性の満ち溢れた隠れた魅力を表に引き出すための手段だと解釈して頂ければよいかと――」
「そんな、夢みたいな話……」
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