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13時59分、広々としたホテルの一室に夏美はいた。
ドキドキと高鳴る鼓動を抑えつつ、静まり返った室内で立ち尽くす。
14時ジャストに、呼び出しのベルが鳴り響いた。
扉の覗き穴から外を見ると、深々に帽子をかぶるマスク姿のひとりの男性がいた。
「瀬名凛久だ――」
「わぁ―うそ、ウソ、嘘――どうしよう?」
取り合えず室内に入れないと、誰かに見つかると判断した夏美は彼を招き入れた。
「わぁあああああ、瀬名君、あっ、あっ、本物……」
挙動不審な夏美に対し、以外にも瀬名は落ち着いた対応をとっていた。
「夏美さん?ですね。
今日はご指名とお招きいただきありがとうございます。
瀬名凛久です。よろしくね」
「ズキューーーーーン」
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