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この後の記憶は全くなくなっていた。
今は自宅の浴室でシャワーを浴びている――。
4時間も一緒にいたのに、気が付けば舞い上がってしまい。
お話を交わすだけで精一杯で――。
楽しみにしていた今夜の歌番組LIVE出演は中止となっていた。
私といたから、収録時間に間に合わなかったからだ。
鏡に映る自らの裸体を目にし、
「こんな身体とても見せれないや」
二度とないチャンスを逃してしまった。
別れ際に、ハグをしてもらった、
彼の腕の温もりを感じたその一瞬だけで、
濡れていた――。
シャワーを浴びながら自慰行為に浸る中
女と女性の境目、涼子の伝えたかったトキメキの意味が
しみじみと心の奥に伝わっていた。
もしも、あの時あんなにも若い彼と体を交わることが本当にできたなら、
想像しただけで胸が熱くなる。
でも、もう二度と同じ男性は指名できない……。
マダムコレクション、そのチケットは私が男を日替わりでコレクションできる
魔法であることをこの時初めて夏美は痛感したのだった。
そして、明日火曜日の朝には、朝倉さんへ希望の男性を伝えることになっていた。
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