Tuesday

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 午後13時、夏美は高級ホテルの一室にいた。 カーテンは全て閉じられ、暗闇の室内の中足元を照らす 微かな明かりだけが、薄っすらと柔らかい光を照らしていた。  やがてベルが鳴り室内に一人の男が入って来た。 男は事前に鍵を渡され、指示されたように薄暗闇の中、 シャワー室へと入り体を清めた。  爽やかなボディーソープの香りが微かに流れ、バスローブ一枚の男の身体からは 湯気が立ち込める。 ベッドの中で横たわる夏美の横に近づき男はバスローブを静かに脱ぎ捨てた。 まるで試合のリングに上がる前の、闘志にみなぎる様に――。 薄暗闇の中、男は手探りでシーツをめくりあげベッドへと体を潜り込ませる。 暗闇で絡み合いながら熱を帯びた体を確かめ合う。 夏美は全裸だった――。 そこから3時間、男は女の指示のまま野生のライオンが獲物を狩る様に 強引で力強く、何度も何度もとどめを刺すように繰り返し体を揺らしながら、 「はぁ、はぁ――」 喘ぎのた打ち回る女の身体を堪能し、 女は男以上に快楽に溺れていた。 「ああああぁ、もっと、もっと――」 鍛え抜かれた男の裸体を打ち砕く様に、女は馬のりしながら繰り返し、 喘ぎ狂ったように体を重ねあい、夏美は幾度となくいき果てていた。  午後17時、慌てるように男は室内を後にした。 夏美も帰りを急ぐように、シャワーを浴び帰り支度をしていた。 「あぁっ」 驚く夏美が目にしたものは、力強い男に抱かれたせいか、 身体に残るいくつもの薄いアザの様な跡と、首元の薄く赤くはれたキスの跡に 気がついた。 以前の夏美なら、動揺を隠せないはずなのに――。 彼女の神経は、麻痺し始めていた。 男を手のひらで転がすように自由に遊べる解放感からなのか、 我を失ったように、したたかに薄笑いを浮かべている。 「もっと…… 狂う様に…… SEXしたい――」
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