Monday

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 春日部 涼子、彼女との再会は一週間前の同窓会だった―― 「もうすぐ40歳だよ。あぁー嫌になる」 「何言ってんのよ!夏美! あんたは結婚もして家庭もあるでしょ。 私なんか、未だに白馬の王子さまは現れないし―― あぁー飲もう! わかった、由紀ちゃん付き合うよ、飲もう!」  桜坂高校5年に一度のクラス同窓会、35歳までは男子も一緒に行っていたが、 特別逢いたいイケメンもいなく、薄毛やぽっちゃり男達相手にただお酒を注ぐ イベントコンパニオン化した同窓会に嫌気がさし、先生が他界したのを機会に 今年から女子だけで集まる様になっていた。  40歳をまわると、クラスメイトも劇的に二極化してゆく。 ご縁があって家庭を持つもの、仕事一筋で年を重ねたもの、 主婦とは違い独身の方が見た目も若く、社会に出ている分綺麗にも見えた。  肌ツヤも30代の頃は子育てで手が離せずに、怠っていたせいか、 同じ年の筈なのに少し引け目を感じていた。 その為か、自然とテーブルに着くメンバーも会話の合う既婚者が 集まっていた。 「ねえ。夏美はさぁ。家庭上手く行ってるの?」 「うーん。どうだろう。志穂は?」 「私さぁ。実は、離婚考えてるんだぁ」 「ふーん」 「ええっ!」  突然のカミングアウトに、口いっぱいに頬張った唐揚げで 言葉を発することが出来ずにいると、独身の由紀が嬉しそうに 会話に割り込んできた。 「もしかして、旦那の浮気?」  独身女にとって既婚者の泥沼は大好物な様で、 ストレートに土足で踏み込んでくる。 そんなTVドラマの様に夫婦問題は単純ではないのだ。 それに志穂の旦那さんとは一度面識があったが、 温厚で気遣いの出来る印象が強くて、 とても志穂を傷つけるようなタイプには思えなかった。 ようやく口の中が落ち着き、話を聞こうとした時、 志穂が答えた。 「そうみたいなんだぁ」 「嘘……」
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