一年後――

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 見舞客が多いからという理由で、蓮は特別室を予約していた。  横のベビーベッドに寝かされている赤子を見たあとで、涙ぐんだ渚が蓮の手を取り言う。 「……よく頑張ったな、蓮。  覚えてるか?  今日は、俺がお前に子供を産んでくれと言った日だ」 「えっ?  そうでしたっけ?」 と言うと、駆けつけてきていた脇田が港と笑っていた。 「そんなことより、さっき、二時間くらい一人にされてて、寂しかったんですーっ」 と蓮は叫ぶ。
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