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「おっと、うるさい爺さんたちを送ってかなきゃな」
「じゃあ、僕も帰りますよ」
と脇田が言う。
外では、統吉と渚のジイさんが、産まれた子をどっちの跡取りにするかで揉めている。
羽田は赤ん坊が無事に産まれたのを確認したら、遠慮して帰ったようだった。
「でも、移動中、羽田さんと揉めててくれて助かりました」
と言うと、なんでだ、と渚に言われる。
「いえ、ああいうとき、意外と頭は冷静なんですよ。
痛がってる身体とは切り離されてる感じで。
なにかこう、二人のやりとりに和みました」
「……俺は和まなかったが」
名前、なんにするかな? と渚が言った。
「早く考えないと、勝手につけられちゃいますよ」
「統吉二世とかつけられそうだな……」
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