7話 隠し事

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「ロイ!」 シンに肩を捕まれた。 「その薬、何年前からどれだけ服用した!」 シンがただならぬ顔をして俺に聞く。 「皆が発情する少し前からだ。たぶん7歳ごろから毎日服用している。発情期は来たことがない。来させるつもりもない。俺はβとして生きる。」 俺の肩をつかむシンの手に自分の手を重ねながらきっぱりと言う。 「そんな、自覚症状が無いのか...」 シンは力なく呟いた。 何が自覚症状なのかわからないがシンが完全なる敵では無さそうだと俺は安心する。 まだ全ては言えない、だがまだ親友で居たい。 これは願ってはいけない羨望だろうか。
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