126人が本棚に入れています
本棚に追加
「ロイ、よく聞くんだ。」
下を向いていた顔を上げたシンは俺の眼を見ながら言った。
「お前は発情期だ。そして薬のせいなのか自覚症状が無いらしい。でもαの俺が言うが、とてつもない良い匂いがする。俺も薬で抑えるのがやっとだ。なぜ性別を隠しているのか話すのがキツいから発情期後に聞くが、それはお前の様子だと性別を隠すことに悪意は感じられないように見えたのと、長い付き合いのよしみだ。他のメンバーには言わないが帰国するまで自室に籠っていろ。必ずだ。」
シンの真剣な眼を見て、嘘ではないことがわかる。
でも、そんな、一回もなった事がないのに...
働かない頭で取り敢えず頷くと、シンは立ち上がって扉の方へと走っていった。
「カギ、掛けとけよ。」
そういいながら俺の部屋のドアを閉めた。
最初のコメントを投稿しよう!