2.遺跡

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「あ~なんか、剣を抜く動作の剣側になって抜かれると少し楽しい感じがするな」 「あなたはそんなこと言ってられるの?」 「あ…」 そんな悠長なことは言ってられない隼一郎の状況。 岩でできたあの硬い巨体に、自分の全身をこれからぶつけられるのだから。 「ねーねー、お嬢様。逃げるっていうのは?」 「できるわけないでしょ!うまく掻い潜って向こうの出口に続く廊下に行けたとしても、出口に着く前にあのゴーレムに廊下を崩されて瓦礫の下敷き」 「おいおい、人をそんな扱いしていいのか?」 「え?どこが人だって?私にはどこからどう見ても聖剣にしか見えないけれど?それにさっきだって、折れても元通りになったじゃん」 「そう言われると返す言葉がない…。くそぉ……」 隼一郎はもう覚悟を決めるしかなかった。 これの戦闘がきっかけで隼一郎は覚醒していくことになるなんて、このときの2人では思い付くはずがないのであった―。
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