75人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ~なんか、剣を抜く動作の剣側になって抜かれると少し楽しい感じがするな」
「あなたはそんなこと言ってられるの?」
「あ…」
そんな悠長なことは言ってられない隼一郎の状況。
岩でできたあの硬い巨体に、自分の全身をこれからぶつけられるのだから。
「ねーねー、お嬢様。逃げるっていうのは?」
「できるわけないでしょ!うまく掻い潜って向こうの出口に続く廊下に行けたとしても、出口に着く前にあのゴーレムに廊下を崩されて瓦礫の下敷き」
「おいおい、人をそんな扱いしていいのか?」
「え?どこが人だって?私にはどこからどう見ても聖剣にしか見えないけれど?それにさっきだって、折れても元通りになったじゃん」
「そう言われると返す言葉がない…。くそぉ……」
隼一郎はもう覚悟を決めるしかなかった。
これの戦闘がきっかけで隼一郎は覚醒していくことになるなんて、このときの2人では思い付くはずがないのであった―。
最初のコメントを投稿しよう!