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3.美しい剣士
「向こうは動かないみたいだから、こっちからいくよ。覚悟してっ!」
遺跡のゴーレムは、こちらを見たまま動く気配がない。
「その覚悟しては俺に言っているのかい?」
「両方」
七花はゴーレムの足下目掛けて走り出す。
グォォォォォーーーーーーー。
すると、ゴーレムの後ろから小さい魔方陣がいくつか現れる。
「石を飛ばしてくる」
「お嬢さん…。それ冷静に言ってる場合じゃない」
七花の言うとおりその魔方陣からは尖った石を飛ばしてきた。
その数発の1つが、確実に七花を捕らえていた。
七花は足を止め、剣先を下に向けて、真っ直ぐ飛んでくる石目掛けて、タイミングを合わせ剣を斜めに斬り上げた。
「おぅ…。いったぁい」
剣に触れた石はバラバラに砕け散った。
「それくらい我慢して」
「痛いんだって!」
「うるさい」
七花は再び走り出した。今度は左右に飛びながら石を避けて進んでいった。
そのままゴーレムの足下に来ると、ゴーレムはゆっくり右足を上げた。
オオオオオオー。
七花はすかさずゴーレムの軸足に接近すると、華麗に回転しながら足首らへんを斬りつけた。
「あっ、いた~い」
鋭い音とともに聖剣(隼一郎)は折れた。
「こんな程度で折れるの?使えない…。」
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