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「ある世界に君を転生させる。魔王を倒して、その世界を救えば君を生き返らせよう」
隼一郎は悩むことなく答えた。
「生き返れるなら魔王倒しに行くことにするよ」
「決まりだね。では転生させよう」
やがて隼一郎の足元から、小さい無数の光が出始める。
「おぉーなんだこれ……」
しばらくすると全身が光に包まれた。
視界がだんだん黄色に染まり、白に変わっていった。
「うぁっ!!」
思わず目を瞑ってしまった。
「眩しかった~。って……遺跡?なんか薄暗いな」
恐る恐る目を開けると、そこは崩れかけた部屋の中。
視界に入ったのはひび割れて、苔むした壁。そして天井から落ちてきたのだろう瓦礫の山。
異様な空気、
「あれ?」
隼一郎が何かに気づく。
「う……うごけない……」
体を動かそうにも動かせない。
でも不思議なことに、顔は自由に動かせる。
あらぬ方向にも顔が曲がった。
あと、もう1つ気づいたことがあった。
「地下か?すっごく寒い」
日が当たらないからだと思ったが、それにしても寒いと隼一郎は感じた。
まるで何も纏ってないかのように……。(意味深)
「おい!ちょっと待ておい!」
隼一郎はふと足下を見てみる。
他から見たらなんの変哲のない剣であるが、彼から見ると首から下が剣であった。
正確に彼がみたのは刃であるが……。
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