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2.遺跡
「崩れる!」
あの部屋から出ると長い廊下のようになっていた。
どうやらその廊下の一番奥にいたらしい。
両側の壁にはよくわからない古代文字のようなものが書かれているが、所々ひび割れていたり崩れていたりしている。
七花は瓦礫で足下が悪い廊下を、隼一郎(剣)を腰に差して軽々駆けていく。
天井のひび割れた隙間から砂が降ってきたり、天井が落ちてきたりする中を進んでいく。
「大丈夫か?」
ちなみに隼一郎はなにも出来ない。
前も言ったように、他からは普通の剣に見える。
見えないけれど、彼からすると目の位置は剣の柄の部分だったり剣先だったりと剣の中であれば自由に変更できるのだ。
しかし彼は、自分で今の姿(剣)の全体像を見ることは出来ない。
「問題ないわ。一応スタミナはあるもの」
「もう少しで廊下が終わるな」
長い廊下の突き当たりに来ると天井が高く広い空間に着いた。
さっきの崩れそうな部屋や、廊下とは違って、多少柱が倒れてたりはするものの比較的綺麗である。
その空間の中心になにか大きなものがある。
薄暗いからなのか、隼一郎たちからは見えない。
「嫌な予感がする」
七花がなにかを感じ取った。
「嫌な予感?」
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