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「あなたのところに行くときに、私はここを通った。その時はあそこには何もなかったはずよ」
そう言って七花が指差したのは部屋の中心。
つまり、先ほどの剣(隼一郎)を抜いている間になにか変化があったらしい。
「おいおい、それって……」
「この遺跡には【遺跡のゴーレム】というモンスターがいると聞いた」
「ちょっとまて、それってまさかあれか?」
「恐らく……あれだね」
地響きはさらに激しくなった。
さすがに、耐えきれなくなったのか先ほど通ってきた廊下は大きな音とともに崩れてしまった。
「来るっ!」
いきなり空間の中心の床が魔方陣のように複雑な形を示して光出した。
薄暗かった空間はみるみるうちに明るくなっていく。
ようやく見えたのは、この空間の壁や柱と同じ素材の岩の塊のようなもの。
「頼むわよ隼一郎」
「おいおい!まさか戦うつもりじゃないだような?」
「そのつもりだけど?」
岩の塊に2つの赤い光現れる。
その瞬間、表面の岩はバラバラに崩れ落ち、中から遺跡の柱などでできた、二足歩行の巨体が動き出す。
グォォォォォ…。
巨体は完全に立つと、上の赤い2つの光はふたりをロックオンしたように感じた。
「完全にこっちを狙って来てる」
七花は聖剣(隼一郎)を抜き、剣先をその光に向けて両手で構えた。
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