第1話「摩天楼に舞う影」

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   飛び退く下忍たち。その着地した足元に、手裏剣が突き刺さる。 剣鎧「ARマーカー、起動」    剣鎧が旋風丸のボタンを押す。    床に突き刺さった手裏剣が発光し、そこから狼の幻像が発生する。    実体を持つ狼の幻像は、うなりをあげて下忍たちに襲い掛かり噛みつく。 下忍「痛い痛い! こら離せ!」 剣鎧「今だ!」    剣鎧、忍刀を抜いて走り、身動きの取れない下忍たちを一瞬にして打つ。    そしてひとこと。 剣鎧「安心しろ、峰打ちだ」 下忍「それ、よく言うけどさ……峰打ちでもめちゃくちゃいてえのよな、実際……」    剣鎧が納刀すると、一斉にダウンする下忍たち。    胸を撫で下ろす剣鎧。そこへ錫杖をつく音と、読経する野太い声が聞こえてくる。 剣鎧「まさか……!」 下忍「お、お頭ぁ……」 入道「ざまぁねぇな、てめーら」    暗闇から電源入道(でんげんにゅうどう)がゆっくりと近づいてくる。隆々とした巨体に袈裟をまとい、右手には錫杖、首には数珠つなぎにしたたくさんのモバイルバッテリー。 字幕「(株)IGA威力営業部長 電源入道」    うろたえる剣鎧。 剣鎧「電源入道……貴様か!」 入道「さすが、FUMAの剣鎧……と、言いてえところだが!」    右の眉毛をつり上げる入道。     
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