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十分ほど歩いたと思う。
河原で火が焚かれているのを見つけた。
あった。
あの時と同じ。篝火を囲んで、数人が踊っている。あの踊っている影には触ることができない。彼らはあやかしまつりへの入り方を示しているだけだ。
私は河原に下りようとして、立ち止まった。
踊っている影が一つ減ったような気がしたのだ。誰かが入っていったのだろうか。
この辺りであやかしまつりに入ることのできる人がいるのか。
私はしばらく待った。
さらに十分くらいは間を置いた。
なにも起きないことを確認してから河原に下り、踊りの輪に入った。左に回る。
一、二、三、四、五……と数えているうちに、暗かった視界がどんどんと明るくなっていった。
笛、太鼓、弦楽器といった音が流れ、ざわめきが辺りに広がり始める。それらが聞こえてきたら、そこはもうあやかしまつりの中だ。
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