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「ご飯と牛乳がぁ??」
私が思いっきり眉を寄せると海は深いブルーの瞳で「和洋折衷が」と、微笑んだので、ぷいと私はそっぽを向くしかない。
時々、海の蒼い瞳は少し遠いような不思議な光を放つ。それがとても大人びていて、なんだか私には直視できないのだ。
身長が伸びただけでなく、輪郭にも大人っぽさの出始めた海をクラスの女子たちが艶っぽい顔でヒソヒソ噂をしていた。昼休みや放課後、海目当てに他のクラスの女子がドアから教室を覗き込む光景も日常茶飯事になっている。
私と仲良くなることで海に近寄ろうと企む女子もいて、私は彼女たちから逃れるべく、休み時間は図書室へ逃げ込まなければならなかった。
ほぼ毎日、図書室を訪れる私に、ある日図書委員会の先生が「委員会やってみない? 係りの子が一人転校してしまうのよ」と誘った。
受付当番や図書整理なんかで昼休みや放課後を拘束される図書委員は、みんなやりたがらないから困っているという。
私の場合、放課後はともかく昼休みが潰れるのは好都合だったので引き受けることにした。
こうして私の昼休みは、なんの気兼ねなく図書室の窓から校庭で遊ぶ海を眺めることができるようになったのだ。
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