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小学1年生の時、クラスに溶け込むことに失敗した私に唯一「おい、ブス」と絡んできたのが相田君だった。相田君は何かにつけて私に意地悪をするので、私は相田君が怖くて大嫌いだった。
クラスが持ち上がる小学2年生を一人ぼっちで乗り切り、やっと待ち望んだ3年生のクラス替えで相田君と一緒だとわかった時のショックは相当なものだった。
相田君は相変わらず私の姿を見つけては、「おい、ブス」と追い掛け回した。
けれど、海が転入してしばらくすると、相田君は私にちょっかいを出さなくなった。それでも私は相田君の姿がクラスにあるだけでとても落ち着かない気分だった。
今回のクラス替えで、晴れて相田君と離れられ天敵のいなくなった私は完全に相田君の存在を忘れていたのだ。
私より少し背の低い相田君の手が伸びてくる。
(髪を引っ張られる!)
反射的に身体をかがめる。
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