同居人はもっふもふ

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 一日、一日である。休みである貴重な一日をウサギの相手に費やした私は、ベッドの上でため息をついた。  現在もウサギは私の傍にいる。それどころか投げ出した足をせっせと揉んでいたりする。非力だからあまり意味は無いけれど。  どうもこのウサギは相当世話焼きらしい。出会いの衝撃から抜け出せない私を見て、「お昼ごはんを作ります」とか言い出したり、散らかった部屋を見て、「お片付けします」とか言ったりしていた。  実際のところ、そこそこ役に立つ。火は扱えないが電子レンジは扱えるようで、昼食用に買っていた弁当を温めてくれた。散らかった部屋は小さな手で片付けきれるわけがなかったが、片付け方に関しては的確な指示を送ってくれた。  今のマッサージだって、マッサージ効果は無いが癒し効果は相当あると思う。 「うーん……よくわかんないなぁ……」  梱包材の下から出てきた説明書を見直す。意外と便利であることは実感したけれど、詳しいことはわからないままだ。  説明書を机に放り投げ、私はウサギに声をかけた。もういいよ、ありがとう。それだけでウサギは嬉しそうに――表情は変わらないけれど――身を跳ねさせ、放り投げた説明書も丁寧に片付けてくれる。  とりあえず明日、仕事から帰ってから考えよう。そう思って私は掛け布団の中に潜り込んだ。 「添い寝はご入用ですか?」 「……いる」  若干もふもふの癒しパワーに抗えなくなってきているな、なんて考えながら。
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