第2話 君のいない日常

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うだうだ考えているうちに、学校に着く。 机にごとりと荷物を置いてから、僕は制服のポケットからスマホを取り出した。 校内では一応スマホの使用は禁止ということになっているはずだけど、実際のところは先生も黙認している。 僕はメッセージアプリを立ち上げて、トーク履歴の1番下にあるアイコンをタップした。 ユーザーの名前は『Sakura』。…3年前にいなくなった、彼女の名前。 彼女から最後に届いたのは『ごめん、明日宿題写させて!』というメッセージだった。 皮肉なことにその明日は来なかったのだが。 「ねーねー」 遠くで女子生徒の声が聞こえる。 誰かを呼んでいるんだろう。早く返事してやれよなんて他人事のように思いながら、僕はトーク履歴をぼんやりと眺め続ける。 乾いたような足音がパタパタと近づいてきた。 さっきの声の主が…さっきよりも近いところで、「ねぇ、聞こえてんの?」と怒気を孕んだ声をあげる。 画面から顔を上げると、クラスメイトの女子がポニーテールを揺らして顔を顰めていた。
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