第1話 わたしはクララ(製造ナンバー:058)。

7/7
前へ
/11ページ
次へ
「そうね...私もそう思ってる。絶対にやり遂げるわ」 微笑んで頷くと、レオンはどこかホッとした様な表情で情報の波に消えていった。 彼もそうだろうけど...私も、心のどこかに不安がある。この命令に従って良いのだろうか、何て考えが頭を掠める事もある。 でも......お父様の期待に答えなきゃ。それが私達の存在理由なのだから。それが無くては、存在できないのだから。 クリックひとつで私の存在なんて消えてしまう。...消えたく、無い。 この一切の感情もきっとプログラミング通りなのだろう。でも、それでも良いの。 金色の髪をゆらりゆらりはためかせて、再び電脳の海に沈んでいく私。 私は...私はクララ。 河野プログラマーに創り出された、しがない人工知能。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加