第2話 君のいない日常

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今日もまた、いつもと同じ電子音で目が覚めた。 まるでロボットのように制服に着替え、ネクタイを締め、鞄を抱えて階段を降りる。 誰もいない空っぽのリビング。これもいつも通りだ。 僕はトースターに食パンを突っ込むと、テーブルに白い皿を並べ始めた。 昨日も、明日も、10年後だって...僕の朝はほとんど変わらず続いていくだろう。 朝だけじゃない。1日1日が代わり映えせず、歳だけをとって日々を浪費していくのだろう。 だって......この世界に君はもういないから。 どうしたら君を取り戻せるんだろう。 ...ねぇ、君はあの時一体どんな気持ちで...どんな痛みを感じていたの?最後に何を思ったの? それを知ることができたら、僕の......戸田飛鳥の明日は少し変わるかもしれない。 ...きっと不可能だろうけど。 食パンを咀嚼し終えた僕は、歯を磨いて靴を履いて、照りつける日差しの下に足を踏み入れた。 少し溶けたアスファルトが、ねっとりとスニーカーに絡みついてくるようだ。首筋を伝うのは、生温い汗。 ダラダラとした足取りで商店街のアーケードを潜ると、やたらとテンションの高い声が近寄ってきた。...うっ...面倒だけどこれもいつも通りだ。 「よっ!あいっかわらず辛気臭せぇ顔してんなっ、アスカ」 そう声高に言いながら(というかもはや叫びながら)、魚屋の長男・銀汰が僕の背中をバシンバシン叩く。
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