0人が本棚に入れています
本棚に追加
「くっっっっそ甘いじゃねぇか!どういうつもりだ?嫌がらせかよ?」
「え?え?甘さ控えめだし、桜の塩気も利いてて甘い物が苦手でも食える甘味だろ?」
「どこが!」
「……オレ、聞いた事あるっす」
まだ文句を言い足りない翼を遮り、友人の1人が声を上げた。自然そっち……夜の方を睨んでしまうのも仕方がないだろう。
しかし夜は臆した様子もなく、時折何かを思い出すように考えながら言葉を続ける。
「幸せアレルギーっていって、幸せに慣れてない人は甘い物が苦手なんだって。アンタ、もしかしてそれなのかも」
人の内側にズカズカと。
しかし翼のそんな反論さえ許さないと言うように、或いは見越してでもいるかの様に。翼の返事を待たず、夜は言葉を続けた。
それも、やけに明るい笑顔を伴って。
「だからオレがアンタを幸せにするっすよ!」
最初のコメントを投稿しよう!