第四章:結婚式

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それからが大変だった、 結婚式当日まで、結婚式に着るようなスーツが無かったので量販店で買ったり、 何よりギターもあまり弾いてなかったから、感覚を取り戻すのに必死に練習した。 Tも忙しくて会えないので何度か電話でコードや曲の長さの打ち合わせをした。 結婚式当日。 席に座っていても、高そうな料理を目の前にしても、頭の中は歌詞やらコード進行やら演奏が上手くいくのか、ということばかり考えていた。 友人の結婚式も初めてだし、 何より人前で演奏したことすら無かった。 あまりにも色々なことが一挙に押し寄せる。 いよいよその時がきた! 新郎新婦と自分、 考えたら不思議な組み合わせだ。 普通は友人だけがお祝いで歌うんじゃないのか、と思いながらも椅子に座り、組んだ足にギターをのせる、ボーカルとギターのマイクの位置をセットし、三人で並ぶ。 “ミッシェル”のイントロ、 下降していくコード。 Tの奥さんが歌うので、自分はギターに集中した。 一番まで弾ければ、ほとんど繰り返しなので何とかなる。 指が微妙に疲れ、コードの押さえが甘くなりそうになるのをこらえた。 何とか弾き終えた時、 弾けた~! と、心の中で叫んだ!
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