帰還

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2018年の春、 違う言い方なら、平成最後の春 契約者を取り締まりをしているCRPから、やけに高い運賃(うんちん)の電車に乗って田舎の学校に行く事になった。 車窓(しゃそう)をみやるともう三月の下旬なのに高く連なる山々の(いただき)には雪が積もっている。 太陽が大きな山で(さえぎ)って見えないのに空がやけに明るいため別世界にいるようだ。 新村駅(にいむらえき)を降りるとやけに寒い風が強く吹く。 「さみぃ…」 と、思わずつぶやいてしまうほどの寒さ。 東京よりよほど寒い。 駅から歩いて一時間たったら周辺にある一軒家に比べて(はる)かに大きい洋風の豪邸(ごうてい)に足を踏み入れた。 インターホンを押すとすでに待っていたのか、主人がすぐ出てきた。 「あっちから話は聞いている  ついてこい」 と、伝えられ俺が所有(しょゆう)する部屋を紹介してくれた。 その部屋は8畳程度の広い部屋で家具がもうそろっている。 「で、聞きたいんだけど、あなたは何者(だれ)?」 「ただの軍人だ。  あっちから何も言われてないのか?」 「まあ、そうっすね  すぐにこっち来ちゃった訳で」 「明日もう入学なんだろ?暗くなってるし、早く寝な」 ドアノブに手をかける前に、 「軍人さんの名前は?」 翔太だ、とだけいい部屋を出て行った。
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