実践

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今日も、家を早く出て、ランニング等をした。 昨日、市街地を回っていて夜遅くに帰ったため、まだ大宝寺家の家族はわからないままだった。このことが痛い目にあった。 1-c-25の席でVRをつけ、しばらく待っていると周りが明確になるはずだった。 案外、プレイヤーを(おだ)てるようなカウントをせずにいきなり始まったが。 左腕の腕時計型マップをみないと、すぐ近くに村があることが分からないぐらい(きり)が凄く、(たよ)りになるのは聴覚(ちょうかく)だけだった。 村に入ると銃声が四方八方(しほうはっぽう)聞こえてきた。 家の路地裏から漁夫(ぎょふ)()をねっていると、 「ガッ……」 と、足音が(かす)かに聞こえた。 俺は、聴覚と勘を頼りに後ろに近づくる奴の頭に向けて素早く左のガンホルダーから、デザートイーグルを抜く、 村中に鈍い轟音(ごうおん)が響き渡り、後ろを見やると、 (危なかったー) と落胆(らくたん)し、その頭が吹き飛んだ死体を踏んで村を抜けて行く。 川原につくまでに、何十人か一発で仕留めることができない強敵はいなかった。 左手を見やると、残り50人をきってた。 川の流れは速く、この霧のなかでも神経質(しんけいしつ)の水のようにやたらと光っているのが分かる。 この川を上り洞窟を目指すことにした。 川のせせらぎで聴覚を頼りにできず、濃い霧のせいであたりを確認することはできない。 (家に(かぎ)をかけないで、出かけてるようでムズムズする)
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