実践

3/4
前へ
/38ページ
次へ
洞窟につくまでに、意外とキルを(かせ)ぐことができた。 何故かというと、移動もせずにずっと(かく)れているプレイヤーが沢山(たくさん)いて、半透明に表示されていたためであった。 (隠れていれば、生き残る訳じゃないんだよな~) そう思いながら、マップを見ながら洞窟へと進んでいく。 左腕を確認すると、もう残り11人になっていた。洞窟内に一人、他は遠い場所にいた。 (こいつを、早く殺さないと、他のプレイヤーからの不意打ちをまぬかれない) 俺は洞窟内の、広い鍾乳洞(しょうにゅうどう)の部屋にでた。 その真ん中に一人の上半身裸(じょうはんしんはだか)大柄(おおがら)な男がいて背中に大剣を背負っていた。 「よう、待っていたぜ」 野獣のような声色(こわいろ)でその男は(にら)みつけてきた。 しかし、その男のガンホルダーには、銃器がなかった。 「銃器は持っていないのか?」 「ハンドガンを持ってたが、捨てた」 「え?弾切れ?」 「いいや」 「弾詰まり?」 「いいや」 「(うば)われた?」 「いいや」 「邪魔(じゃま)だった?」 (こんな、大剣だけ装備してるだけで邪魔なわけ……) とふざけてみたが 「ああ、そうだ」 「え……」 いざ戦場で戦う時、装備品の中で最も(すぐ)れている武器を捨てるだろうか。 「あ、あの……捨てるほう逆じゃない?」 男は、目を光らせて言った 「ま、そうかもな、世間話をするのも楽しいがお前は俺と戦わないのか?」 「もちろん戦うよ」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加