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マネージャーの二人はそれなりに可愛く、そんな二人にこう迫られて悪い気はしない。
「あれーまだ集まってないかなぁ?」
マネージャーの先輩達が出てきた部屋の反対側の部屋から、やたらイケメンで体の引き締まった先輩が出てきた。
髪は短めだが軽くウェーブがかっている。無造作ヘアーというのだろうか?上半身は練習着であろうジャージと、下はハーフパンツを着ている。身長は170センチより少し低いくらいだろうか。
練習の時から乳首を見せる服を着るわけではないことに安堵していると、
海生に気づいたらしいその人は歩いて近づいてきた。
「おっさっそく見学者かー今日は入学式だもんな。背の高さは普通くらいかな? 何センチあるの?」
「えっと……170ちょうどですね」
「龍生先輩こんちわーす」
龍生先輩と呼ばれた男子生徒は、二年生の優香から先輩と呼ばれてる事からして三年生だろう。
「おー優香こんちわー。美優もな」
「こんちわー」
挨拶をし終え、海生に向き直るイケメン先輩。
「自己紹介が遅れたけど俺は主将の大城龍生だよろしくな」
「比嘉海生ですよろしくお願いします」
なんと主将だったらしい。堂々とした態度にそれらしさは感じるが。
「名前は海生か。海生は何か中学でスポーツやってたのか?」
「はい。バレーボールを……」
言いかけて少しうつ向く。バレーボールをやっていた…やってはいたが……
「おっバレーボールか! 団体競技はチーム皆で戦う団結力があって良いけど、レスリングみたいな個人競技は別の面白さもあるぞ?」
「別の面白さ?」
「あぁ。それは勝った時に自分の力のみで勝てたっていう満足感だ」
勝てたときの満足感。少し興味を惹かれる言葉だった。
その満足感は、中学生の時には味わえなかったものだ。
「でも試合の時は乳首が出るような服を着るんですよね?」
「チクビ!? えっいや出ないけど……あっ確か昔はそういうのもあったらしいかな」
どうやら今はそういう服で試合はしないらしい。
「あぁそれと、一応レスリングには大会にも団体戦と個人戦があって、個人戦は一年生も含めた全員出ることになるからね?」
その言葉を聞いた瞬間、海生の明日のバックレるという予定は揺らぎそうになっていた。
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