第1話

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部活の話が出たことで、レスリングの話をされていたことを思い出した。親戚の伯父さん、比嘉則夫(ひが のりお)は昔からレスリングをしており、その繋がりで通天高校のレスリング部の顧問の先生と知り合いらしい。 高校の入学祝いで家に来ていた時に、高校でバレーボールを続けないという話をすると、この話を勧めてきたのだ。 「え! レスリングってアレだろ!? がちむち何とかっていう」 「いや違うよ。お前が言ってるのアレだろ? 動画サイトとかにあがってるやつ」 鏡也の発言に思わず吹き出してしまった。海生もあまり詳しい方では無いのだが、だいぶ昔に伯父さんが持ってきたビデオを見せられたことがある。 「アレだよ……何か乳首が出てる気持ち悪い服着て、男同士で絡みあうやつ」 だいぶ昔に見たビデオだったからうろ覚えではあるが、それを覚えていたためレスリングを勧められた時に思った事は、なんであんな気持ち悪い服着るスポーツをやらないといけないのかという、拒否反応を示す気持ちだった。 そもそも何で乳首が出ていたのだろう? 乳首が出ていないといけないのだろうか? というか男が乳首をだす服なんて誰が特をするのだろう。それならまだ上半身裸の方が良い気がするくらいだ。 考えていて気づいた。がちむちなんたらっていうヤツとあまり変わらないんじゃないかと。 「何か偏見かもしれないけどホモとかいそうじゃん?」 「確かに」     
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