第1話

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境也がそう言ったのに対して海生も同じイメージがあった。さっき話に出ていた動画サイトでついたイメージだろうか。 「さすがにホモはあんまりいないかなぁ?」 学校の校門が見えはじめ、体育館を通り過ぎようとした時、その会話に割り込んで来た人物がいた。 その人物はサングラスをかけ、アゴヒゲを生やした強面であり、どうみてもヤクザだった。 「ごめんなさい僕根っからのカタギなのでそっちの道に誘われても無理です」 とっさに動揺し、思考が妙な方向に進んだ。極道の道に誘われるのかと勘違いし、その言葉を返す。どうして学校にヤクザが…… すると目の前のヤクザは、見た目に反し丁寧な口調で返答した。 「面白いこと言うなぁ。ちょっと聞きたいんだけど君って比嘉海生くん? 」 ヤクザが何故か名前を知っていた。最悪だ。ヤクザに目をつけられるような事はした覚えはない。そもそも少し前まで中学生だったのだ。 隣にいる境也はというと、目の前のヤクザに完全にびびってしまい、何も言えずに立っている。 「どうして僕の名前を……僕は目をつけられるような事は何も」 警戒は崩さず声をかけてきた理由を聞くと、 「いやさっきそっちの彼が君の名前を呼んでるの聞いてさ」 ヤクザは境也を指差し理由を説明し、     
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