命日

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AM5:10。ヤバッ!遅刻!物販に並ぶのに6:00には着きたかったのにーしくじったぁ… やっぱ車で高速使って7:00で何人並んでるかな?イヤぁ参った。 車に飛び乗りかっ飛ばす、今回は会場が近くて助かる。7:20列に並ぶ最後尾でプラカードを持った係員に此処までの総数を確認すると約500人前回は完全に出遅れ1500人目だったからまあまあかな? 並び始めて約2時間、最後尾はもう見えない「あの、スミマセン。」 ん?後ろの人が声を掛けて来た。 「トイレ行きたいのデスが場所見てもらえませんか?」物静かな女性だった。 「女性は大変ですよね、どうぞ~」 「ありがとうございます。」 何か不自然だった、会話の最中僕の目でなく口を見ていたのだ。音程にも違和感が有ったし…??? なにか釈然としないながらも気に掛けない態を装った。 しかし、冷える!寒い!暖かいモノを身体に入れたい! 彼女の帰りを待ちコンビニに行かせてもらおう。そうしよう。あっ!帰って来た。 「コンビに行きたいんですがお願いしても良いですか?」ん?リアクションが無い? あれ?嫌われてる?仕方無いけど… 「あのっ…」 驚いた様に振り向く。そして視線はまた口元に注がれる。 「コンビに行きたいんですがお願い出来ますか?」すると言葉に出来ない程可愛らしい笑顔の彼女がそこに居た。 黙って頷く彼女。 何故か僕は走っていた。なぜだろう? 自分が自分を理解する前に体が動いていた。熱々のコーンポタージュを4本買うとまた走った!またアノ笑顔が見たいそう思いながら… スマホを覗き込む彼女の肩を叩く。 「ありがとう!これどうぞ。」 「いえいえ大丈夫ですよ。」 「カイロの代わり、飲まなくても良いよ。」唇を覗き込む瞳に一瞬ドキドキした。 「指先冷えてるでしょ、遠慮しないでください。」 「それでは遠慮なく。」 満開を誇る桜の様な、真冬を吹き飛ばす笑顔。多分この笑顔が見たくて走ったのだ、この時に確信した、恋の仕方や女性の愛し方を忘れた僕には思い出せない感情。 素敵な女性の笑顔は心を潤す。 飛び抜けた美人ではない。でもずっと見ていたくなる様な笑顔。とても眩しい。
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