命日

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もう本格的に寒い!明日は休みなので油断し残業してしまい退勤が20:00を過ぎた。 エンジンをかけ、スマホに充電を… 「ん?」 メッセージ?彼女からだった。 「聴こえないの何も」 どうしたんだ?聴こえない?何も? え? 気付くと高速を彼女の元へ向かわせていた。 「速く、速く。」呪文の様に唱え続ける。 ナビは教えられていた彼女の住所を標している、一秒がもどかしい。 とにかく早く彼女に会いたい。それしか考えられなかった。 直線距離で約200Km、それがなんだ彼女にとにかく彼女に会いたい。 静岡県のインターを降りた時、メッセージが届いた。 「今、病院。少し聴こえる様になった。これから家に戻る。」 目的地まであと少し、そっと車を停める。 張り詰めた感情の糸が音も無く切れ、泪で創られたスクリーンで視界が阻まれてしまっている。 そのスクリーンに映るのは彼女の笑顔だ。 「良かった…」 何時頃戻るの? 後、30分くらい。     
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