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「言うんだって。『欲しいならいつでも奪いに来い』って。不安じゃなくて、自信を持って受け止めてるみたい。今もさ、毎日心配そうに決闘の様子を見に来てるけれど、手を出したりはしないしね。見守る強さっていうのを、身につけたって言ってた」
「かっこいいね」
二人とも、とてもかっこいい。お互いを信じて、自分を信じている。そういう姿を見ていると、羨ましいかもしれない。
「先輩達の中にはさ、そういう二人を見て『悔しいけど、似合いだ』って笑う人もいるよ。ううん、そういう人が多くなったかな。努力を惜しまない、人一倍訓練も仕事もするランバートだからこそだし、変にお高くとまったりもしないしね」
「ハリーも認めてるの?」
問いかけた事に、ハリーは少し驚いて、次に少し睨んだ。整った顔が嫌そうにすると、少し怯えてしまう。
「気づいたの? 俺が少しだけ、ランバートありだなって思ってたの」
「…時々、苦しそうに見えた」
「嫌な観察眼。言わないでよ、今更誰にも言う気ないし、変な事も考えてない。実際お似合いだと思うし、波風立てる気もないんだから」
ぶすっとしたハリーに頷いて、クリフはこれに封をした。
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