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「は…?ちょっと酷くないっすか、先生!…あと、このくらい誰でも出来るっすよ。自分がこのくらいの年齢だったら、どんな風に説明してもらいたいか。どんなことをしてもらいたいか、それを考えれば接し方なんて自ずとわかるはずっす!」
と。そこまで言うと、今度はエディとルカ、両者の方へ完全に向き直り、少し怒っている表情を作ると色素の薄い瞳をそれぞれへ向けました。
「というか!このくらいできて当たり前っすよ、寧ろ2人がこの子に騎士団…ここの話をしていなかった方が驚きっす!…この子はまだ小さいし、説明は無駄と思ったのかもしれない。知っていて当たり前の情報だから、必要ないと。状況が状況だったから、と思ったのかもしれない。でも、いくら幼くても、ひどい状況に遭っていても、この子には心が、気持ちがちゃんとあるんすよ。──俺がもし、メルくらいの年齢で、ある日突然知らない場所へ連れてこられたら。いくら優しくしてくれる人が周りにいても、毎日大声で泣き喚いて駄々こねて、暴れてたと思うっす!だって、知らない場所、知らない人。わからないことばかりで、全部不安っすから。まずは現状を説明して、不安を取り除いてあげる。相手が怪我人だろうが何だろうが、まずそれが最優先っすよ!」
腰に手を当て、仁王立ちで。普段は人懐っこい笑顔を絶やさず、犬属性だとか、残念騎士だとか言われているレオンですが。
今回ばかりはレオンも説教しなければならないと考えたらしく、難しい表情で話します。
その言葉は全て正論で、エディとルカも今回ばかりは何も言い返すことが出来ません。
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