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喉を通った冷たい水に疲れを癒した幼子は、湖の周囲に視線を巡らせ、誰もいないことを確かめると、湖のほとりに聳える大樹の根元で休憩を取ることにしました。
幼子は空腹の状態で動き続ければそれだけ早く体力が尽きることを、経験から知っています。
太陽は真上を少し過ぎた辺りにあります。夜になってしまえば、この森の中で眠らなければなりません。
それまでに森を出て、あの温かい手の持ち主を探すには、ちゃんと休憩をとりながら動くのが大切だとわかっていました。
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