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「……、…おい」
ゴソゴソ、毛布にすっぽりと潜り込んだ幼子に低い声がかけられます。
毛布の中で隠れているつもりの幼子の肩が怯えたようにビクリと跳ねるのが、少し離れた位置にいる男にもわかりました。
知らない者が近くにいるという状況にすっかり怯えている様子の幼子。それに、さてどうしたものかと男は頭を悩ませます。
「別にそのままでもいいが、あまり急に動くな。ちゃんとした手当ては出来ていないから、無茶をすると傷が開くぞ」
……元々あまり幼子の相手をしたことがない男です。怖がっている子供に近寄ることもないだろうと考え、結局、幼子に近づくことなくその場で声をかけることにしました。
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