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火の番をしている男は、少しですが顔を出してくれた幼子に、内心ホッと安堵しました。
心を閉ざしているようなら、無理に近寄る気はなくて。夜が明けたら森を抜けるつもりだったので、そしたら幼子を運ぶ必要がありましたが、それまで放っておくべきかと考えていたのですが。
見知らぬ相手に怖がっているだけで、心から拒絶していたり、恐れている様子ではないのに胸をなでおろします。
……そうすると、まあ、心に余裕が生まれるもので。
幼子に対する心配が消えたことで余裕ができた男は、小さな耳をピクピク動かしながら、毛布から目線だけ出しこちらを伺う幼子の姿に、思わず表情を緩めます。
──あれで隠れているつもりなのか。夜目が利く分、ちゃんと見えているのにな。
時折毛布の中でモゾモゾと身動ぎしながらも、自分はちゃんと隠れられていると思って、大きな瞳でこちらを伺う愛らしい姿に、思わず小さな笑みを漏らします。
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