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1時間前、都市高速を2台の大型トラックが移動していた。
荷台の中にはそれぞれ4人の兵士が2人ずつ待機している。
先頭の2台には年配の兵士が2人、もう1台には対象的に若い
兵士が内部で準備をしている。
その4人に通信が入る。
「進捗は?」その声は12時間ほど前、太平洋上で作戦を指示した
黒人士官だった。
「現在横須賀基地から高速で品川まで移動中。A型の起動調整
は完了しており武装確認中です。」
年配の兵士1人が答える。
「了解した。」
その後別の声から4人に通信が入る。
「え~と、ジェイク・ギデオンです。改めてよろしくです。」
ジェイクの声は軽く場の空気を弛緩させる。
「さっきは慌ただしく出て行って自己紹介とかできなかったけど
コードネームじゃ味気ないので簡単に名前聞かせてください。」
「India(インディア)1、ニール・ライフソン二等兵であります。」
昨日のミーティングで意見した若い兵士がはっきりと答える。
「India(インディア)2、アレックス・リード二等兵であります。」
もう一人の若い兵士の声が空母の作戦室にいるジェイクに聞こえる。
「India(インディア)3、ビリー・ギルバート伍長。」
「India(インディア)4、ポール・マーティン曹長。」
年配の兵士は冷静に答える。その声を聴くとジェイクの顔がほころぶ。
「ありがとうございます。ニールさんにアレックスさん。カメラの調整は
完了してます。あなたたちの顔もはっきり写ってますよ。」
ジェイクは作戦室でキーボードをピアノを弾くかのように華麗に操作する。
4人の兵士は粛々と荷台内で作業をする。海の向こうでニヤニヤしながら
仕事するジェイクとは対象的だった。
「1時間後に作戦開始だ。」黒人士官は厳しい声で4人に指示した。
「了解。」4人の声がほぼ同時に作戦室に響いた。
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