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その画像を見た瞬間博士の顔が輝く。
「そうか……やはり間違ってなかったのか……。」
画像に映るのは立ちすくむ一人の少女。だが博士が注目したのは
少女の右腕だった。血糊はあったが拡大すると傷がふさがっていた。
その事実が博士を歓喜の表情にさせる。
「確証はないといったな……どうすればいい?」
博士は発光する液体に向かって話しかける。
「彼に……確かめて……もらう……今……どこに……」
液体からの声はラジオ放送のように曇って聞こえる。
博士はその答えを聞き顔をしかめた。
「呼び戻すということか……仕方がない。だがその前に……」
博士は再び端末を手に取った。そして端末を耳に当て話し出した。
同時刻、薄汚い部屋で男が携帯端末に向かって叫ぶ。
「打ち切りってどういうことですか!」
「先ほど言った通りだ。調査はこれで終了とする。いままで
ご苦労だった。最後の仕事分は後程振り込ませてもらう。」
「しかし…報告した通りあの子はちょっと普通じゃないですよ。
さらに調査が必要ではないかと思いますが。」
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