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「それは君には関係ない。仕事は終了。今後一切連絡は
しないでもらいたい。とにかくご苦労だった。」
「3年近くあの子の監視を続けたんですよ。それをいきなり
終了って、ちょっと、おい!」
電話は途中で勝手に切られてしまった。悟朗は思わず携帯端末を
壁にたたきつけそうになった。
ここは松田探偵事務所。あの事件の後、定例報告をクライアント
にするも反応はなかった。だが今日いきなり調査の打ち切りの連絡が
来た事で悟朗は憤慨したのだった。悟朗は納得できなかったのだ。
2日前の襲撃事件で少女が黒い髑髏と一緒だったこと、そのあとの
爆発、何か裏にあると悟朗は考えられざるを得なかった。
「糞っ!ここまで来て納得できねぇ。」
悟朗は声を荒げてテーブルに思わず蹴りを入れる。
「悟朗さん……」
急に背後から声が聞こえる。悟朗が振り向くと秋晴が立っていた。
「聞いただろ?調査は終了だってよ。」
「それですが……しばらく休暇をくれませんか?」
秋晴の意外な一言に悟朗は目が点になった。
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