第4章 帰還せしモノ

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  森には再び静寂が戻った。周りには死臭が漂い樹木に鮮血が飛び散っていた。  そこに一人男が立っていた。190㎝くらいの長身に襟足まで伸びた髪。獣のような  鋭い目をしており、口元にはまだ新しい血の跡が付いていた。  男は腰に差してある無線機を手に取る。  「敵を制圧した。」  「了解。部隊を前進させる。」  無線機から返事が聞こえると森の影から大勢の兵士が現れた。そのまま斜面を  駆け足で下っていく。何名かの兵士は周囲の様子を見ながら思わず目を背ける。  「作戦は成功のようです。」  前線から離れたところにある基地で通信兵が無線を操作する。  その後ろには現場指揮官と思われる男が腕を組んでいた。通信兵の  報告に軽くうなずく。  「よし。わが軍はほぼ無傷で進軍できるというわけだ。さすがだな。」  指揮官の一言に横にいた兵士が意見する。  「しかし、あれが噂の傭兵ですか……まさか東洋人とは……」   「そうだ。戦場にいれば何度も聞く伝説の一つ。人食(カニバル)いだ。」  兵士は思わずつばを飲み込む。     「なぜ単独行動させるのですか?」  「味方すら襲うことがあるらしいからな。お前も奴が暴れた戦場を見れば     
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