第4章 帰還せしモノ

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  理解できる。奴を運用する際の常識だ。」  指揮官は冷静に受け答える。兵士は初めて聞く内容に吐き気を催す。    「人食(カニバル)いの噂は10年以上前から存在してますが……一体   何者なのですか?」  兵士の疑問に指揮官は答えにくそうだったが口を開く。     「さあな。だが人間ではないだろうな。信じらないが… 以前アメリカが   奴を確保しようとしたことがある。知っているか?」  「初耳です。」  「奴の戦闘力を目の当たりにして手に入れたかったんだろう。実際CIA の   秘密部隊が投入されたって噂だ。だが部隊は全滅したそうだ。」  「本当ですか?」  「あくまで噂レベルの話だ。アメリカ側は否定しているからな……。   だがその話が裏世界で広まりそれ以降奴は不可侵の存在になった。   フリーランスの傭兵として単独で行動し行く先々で屍の山を築く   呪われた存在として…」   その話を聞く兵士も説明する指揮官も全身に冷たい汗をかいていた。   「なら人間を食うって話も……」   「満更嘘じゃないようだな……」   指揮官は冷静に答えた。     
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