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翌日、校舎の廊下を歩いていた透馬は後ろから呼び止められる。
「栗須くん。ちょっといいかな?」
振り返ると担任の坂井先生が廊下に立っていた。
「なんですか?先生」
「そういえば、君は部活には入ったのかい?」
「部活ですか?」
「うちの学園の生徒は支援クラスの子以外は何かの部活に
加入しないといけないんだけど、入学の際説明受けなかった?」
透馬は首をかしげて考え込む。
「そういえばそんなことを聞いたような……聞いて
いないような……」
坂井先生はあきれた表情をする。
「全く……しょうがない。もうすぐ終業式で4月になれば
3年生だ。時間がないから来週までには先生に
報告しなさい。同好会でもいいぞ」
「わ、分かりました」
透馬は何か理由をつけて断れないか考えたが、
後々トラブルになるかも知れないと思い先生
に従うことにした。
「と、いうわけなんだが」
放課後、廊下を歩きながら真横にいる花蓮に
事情を説明した。
「なるほどね。部活かぁ……どんなのがいいの?」
「なるべく目立たないもの、活動していないもの、
マイナーなものがいいな。間違っても体育系は
ダメだ。練習とか付き合えない」
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