第4章 帰還せしモノ

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    「要求多すぎない?うーん……」   花蓮は頭の上に目線を向けてなにかいいアイデアがないか考える。   すると頭の上に電球が光ったかのように目を見開き指を鳴らした。  「ちょうどいいかも。ちょっと付き合って」   花蓮は透馬の腕をつかんで引っ張っていった。   2人の向かった先は教室のあるメインの校舎から離れた   別館だった。いろいろな特別教室があり各目的で生徒たちが   移動して授業を受けるところだ。階段を上り廊下の奥まで   歩いていく。やがてある部屋の前に立った。扉ごしに管楽器の   ハーモニーが聞こえる。  「音楽室、なるほど吹奏楽部か……しかし絶賛活動中じゃないか?」  「違うよ。この奥」   花蓮は音楽室の扉から離れたところにある部屋を指さす。そこまで   歩いていくと扉の上のパネルには【倉庫】と表示されている。  「倉庫?」  「ちょっと部室が確保できなくて……先生にお願いしてもらったの」   花蓮は扉の前に触れると扉がゆっくりと開き中に足を踏み入れる。                 
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