第4章 帰還せしモノ

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  中に入ると数人がけのテーブルが中央に置いている。周りには   学校で使用するいろいろなものが置いている。だが埃を   かぶっているものも多くほとんど使われていないようだった。   テーブルも数日使われていないのか薄っすらと白くなっていた。   花蓮はそれに気づき台拭きで埃を払いとる。     「一体なんの部活だ?」   透馬は不思議な表情で周囲を眺める。だが奥にあるポスター   に目が止まる。そのポスターは薄暗い空に大きな光り輝く   円盤が映されている。下には大きな文字で   ――They are there――(彼らはそこにいる)   と書かれている。その時ちょうど扉が開き何者かが入ってくる。  「ごめ~ん。花蓮。遅くなっちゃった」   ボヤキながら入ってきたのは花蓮の親友いちかだった。  「いいよー。いちかあたしも今来たところだから」   2人はお互い顔を合わせる。いちかはすぐに違和感に気づき   目線をもう一人に向けた。  「あぁ、転校生の栗須くんじゃん。初めまして。湊いちかだよ」   いちかはにっこりと満面の笑みを浮かべて手を差し伸べた。   透馬はそれに答え軽く握手をする。     
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