56人が本棚に入れています
本棚に追加
「こちらこそ。栗須透馬です」
「アッハッハ。そんな固くならなくていいよー。花蓮からいろいろ
聞いてるし。ところでなんでここに来たの?」
いちかの問いに花蓮が代わりに答える。
「実は透馬……じゃなくて栗須くんなんだけど、部活に入って
ないみたいで来週までになにか入らないといけない
ってことで……」
花蓮があわてて言い直したところをいちかはニヤニヤと見つめる。
「だから連れてきたんだ。ちょうどメンバー足りなかったもんね」
いちかは楽しそうだった。そんな彼女を見ながら
透馬は思わず尋ねる。
「何の部活かは、何となく察しがつくよ。俺も奥山さんから
いろいろ聞いているからね」
「いろいろ?」
「その……変わった趣味をお持ちで……」
そう言って透馬は奥にでかでかと存在をアピールする
ポスターを眺める。
その目線に気づいたいちかは思わず大声で部屋に響くように笑う。
「あっはっはっは。そのポスターいいでしょ?でも残念」
いちかはそう言ってポスターの横の扉に透馬を案内した。
最初のコメントを投稿しよう!