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ー現在ー
「なんでこんなことになっちゃったの?」
花蓮は今までの出来事を反芻していた。食い意地はったから
なのか、運が悪かったのか、それともあの事故の時生長られた
からなのか。自分の死が近づくをそれまでの出来事が走馬燈の
ようになるというが花蓮には理解できなかった。
ただ男の震えた手、引き金に力がかかっている事実。
自分に残された時間がわずかだと示すには十分だった。
男は混乱している。いくらあの髑髏の仮面がすごくても自分は
救えないだろう。自分が何者なんて考えるとか何言ってたんだろう。
人は死ぬときはあっけなく死ぬってことなんだろうか。
「なんとかいえよ!この野郎!」
男は震えた声で正面にいる髑髏の仮面に叫ぶが髑髏の仮面は
何も答えない。ただ両手に持った銃を突き付けているだけだ。
花蓮は涙が止まらない。汗も滝のように流れ呼吸も不規則だ。
自分が死ぬという絶対的な恐怖に押しつぶされそうになる。
それは男も同じだった。髑髏の仮面がにじり寄った瞬間、
男の中で最後の一線が切れた。
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