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さて、タイムマシンを作った、と言い張る事は簡単だ。
けれど困ったことに、僕はタイムマシンを動かしてはいないのだ。
だからこそ、僕は今こうやって記録を残している。
まずはタイムマシンに乗る前の事を。そして、次はタイムマシンに乗った後の事を。
これできちんと記録を残せたら、僕は間違いなく賭けに勝った事になる。
それで僕は、タイムマシンの最終確認を始めた。きちんと動作するか、レコーダーは問題ないか、電源に異常は無いか、などなど。数分かけて、タイムマシンに全く問題ない事を確認した。
やはり僕が作ったのだから、完璧に違いない。
僕はタイムマシンについているレコーダーの記録も始めた。これで記録が残れば、万事OKだ。
内心ドキドキしながらも、僕はタイムマシンに乗り込んだ。
扉を閉めると、何となく棺桶のような感じだった。
良し、行くぞ、と心を決めて、僕は起動スイッチを押した。
タイムマシンは震えて、ゴゴゴゴと音を立てた。中にいる僕も一緒に震えた。
そして、ぐわっとタイムマシンの周りの空間が裂けた。その先は、まるで宇宙のような空間が開けていて、タイムマシンはそこに落ちて行った。
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