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むしろ人通りの多い街並みの方へ連れていかれ、どういうこと?と不審に思う間もなく奴はふと足を止めた。完全にぐったりしたわたしを自分の肩に凭せかけて、平然と窓口で声をかける。
「…学生。二枚で」
…チケット?
有無を言わさずそのまま引っ張り込まれた暗闇の先は、まさかの映画館だった。
どうせわかることだしその方が話が早いと割り切って、わたし、身体はどMなの、とすぐに打ち明けたのがよくなかったのか。二度目にそいつと待ち合わせた今回、いきなり街角の路地の隙間、人目のない片隅に引っ張り込まれてためらいなくスカートの中に手を入れられた。
「え…っ、急に。何?」
とうろたえるわたしに構わず素早く下着を降ろし、そこを確かめるように指を這わせる。こんな、いつ人が来るかもわからない外で。頭では憤慨してるのにそこはコントロールできない。顔をしかめて身を捩るわたしの反応に奴はにやついて囁いた。
「やっぱいいね、感度。こんな街中で弄られて感じちゃう?ちょっと触っただけなのにもう濡らしてんじゃん。自分で言うだけあってマジのどMなんだね。可愛いよ。…プレゼント、これ。玉姫ちゃん、絶対大好きなものだよ」
ぐい、と冷たいものが押し込まれてショックで身体が波打つ。カチ、と耳許で何かのスイッチが入る音を聞かされた。…途端に。
「あっ、あぁ…っ」
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