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いつの間にか常導神は今の自分より老けており、着衣は襤褸(ぼろ)へと変化していて肌の露出した部分に痣(あざ)と血の滲みが浮き出し、両腕には環状の錘(おもり)が付けられていてそれが次第に増えている。
『一体何が起きているんだ!?』
不安混じりにそう思った瞬間、彼の供述とともにその場面がはっきりと脳裏に浮かんだ。
それは眼を開けていながらも視界を奪うほど鮮明なものとなってゆく。
そして叙述は成人以降のものへと進み、就職、転職の失敗、そしてディスカウントストアのアルバイトで生計を立てながらも遊び癖の抜けない日々が露(あらわ)になる。
彼が妻と出会ったのはここだった。
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